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【相続事例】遺産分割協議に関わりたくない相続人達への対処法

 

「亡くなった夫の相続のことでご相談したいのですが」と無料相談の申し込みがあり、相談者Yさんのご自宅に訪問しました。

 

Yさんのお話によると、夫との間に子はおらず夫の両親もすでに亡くなっており、相続人は夫の兄弟姉妹になると思うが、婚姻当初から兄弟姉妹の存在はほとんど知らされておらず、40年以上兄弟姉妹と疎遠なため、兄弟姉妹の生存の有無も連絡先もわからないということでした。

 

提示された資料等からは、相続財産は夫婦で共有名義になっている自宅と夫名義の預貯金であること、自宅は住宅ローン返済中で、債務者はYさんであることがわかりました。遺族年金とYさんの預貯金だけで住宅ローンを返済しながら生活していくことは、経済的にかなり苦しいことが予想されました。そのため、Yさんはできるだけ早く他の相続人と連絡をとり、現在の状況を伝えることを希望されていました。

 

事前調査にて、行政書士が相続人調査(遺産分割協議書作成のため)を行ったところ、相続人はYさんと兄弟姉妹(甥姪含む)の合計6名で、戸籍の附票から兄弟姉妹(甥姪含む)の現住所も特定できました。

 

Yさんは相続人全員に、相続発生の報告が遅れてしまったことのお詫びと、相続手続きに協力してもらいたいという趣旨の手紙を出しました。数日後、相続人の一人Hさん(夫の兄)から兄弟姉妹(甥姪含む)代表として返信がありました。そこには、Yさんとは面識がなく、相続の話をすることに抵抗があると書かれていました。

 

Yさんとの綿密な打合せの後、YさんとともにHさん宅を訪問し、事前調査報告書の説明とYさんの現在の状況をお話することができました。Hさんからは、相続人となる兄弟姉妹(甥姪)は全員、今回の相続には関わりたくないと考えており、相続財産を受けとるつもりはないとお話がありました。そこで、実印を押さなくてもよい相続放棄の手続きについて説明しました。その後、Yさんを除く相続人全員が相続放棄することになり、相続財産はすべてYさんが相続しました。

 

Yさん、Hさん、他の相続人の方々からは、不愉快な気持ちになることなく相続手続きが完了できたとお礼の手紙や電話をいただきました。