相続対策としてよく知られる、生前贈与。 これが2024年1月1日から、大きく姿を変えました。 今回はその内容について、解説します。 3年の持ち戻しが7年に延長された! 相続で発生する可能性のある相続税は、亡くなった方の財産額が多ければ多いほど、その納税額も増えていきます。 そのため生前に贈与することは、亡くなった時の財産の額を減らすことに繋がるため、結果として『相続税を減らす』ことが可能なのです。 この生前贈与ですが、実は亡くなる3年以内の贈与は、相続税の計算上は無かったことにされてしまいます。 これを『生前贈与の持ち戻し』と言います。 たとえば、8,000万持っていた方が、子どもに100万の贈与を3年間行った後に亡くなったとします。 既に300万を生前贈与しているので、亡くなった時は7,700万のはずですが、 相続税の対象になるのは『遺産7,700万+亡くなる前の3年間の贈与300万を足した8,000万』ということになるのです。 そのため、生前贈与をするなら早めに行うのがベターだったのですが、 これが法改正により、2024年1月1日以降の贈与は7年へ段階的に延長されるようになりました。 持ち戻し期間はどのように延長される? たとえば、2024年2月1日に贈与をした人が、2027年3月1日に亡くなったとします。 贈与をしてから3年1カ月が経過しているので、今までだと持ち戻しの対象にならなかったのですが、7年ルールとなった今は違います。 この時の贈与も、しっかりと持ち戻しの対象になってしまうのです。 では、2024年2月1日に贈与をした人が、2031年3月1日に亡くなった場合はどうなるでしょうか。 この場合は、7年1ヶ月が経過しているので、持ち戻しの対象外となります。 ただし、3年より前の期間(4年~7年)に贈与したものに関しては、 合計で100万円までは持ち戻さなくても良いことになっているのは覚えておいてください。 たとえば、亡くなる前の3年間で600万円、3年前よりも前の4年間で500万贈与があった場合、 1,100万円を持ち戻すのではなく、600万+(500万-100万)=1,000万が持ち戻しとなります。 手軽に行えて効果が高いことで人気がある生前贈与ですが、 持ち戻しが7年に延長されたことで使いにくくなった感は否めません。 ただ、相続税対策は何も生前贈与1つだけではありません。 他の様々な対策と組み合わせることで、適切な相続税対策はまだまだ可能です。 相続手続支援センター関西では、相続税に特化した税理士と共に、生前対策をサポートしています。 自分や家族にとってベストな相続税対策の提案が欲しい方は、ぜひご連絡ください。
生前贈与が大改訂!あらたな7年ルールとは
2024.11.21