巷にあふれる相続不動産のウソとホント!

相続と切っても切り離せないのが不動産です。
この相続不動産については、内容がややこしいこともあり、様々な噂が流れています。
今回は相続不動産のよくある噂話のウソやホントを解説していきます。


「父名義のままの不動産がある。このまま放っておいても大丈夫なんでしょ?」

→ウソです

令和6年4月1日から相続での不動産名義変更(相続登記)が完全に義務となりました。

亡くなった方名義のままの不動産があると、不動産1つにつき相続人1人が10万円の過料(罰金のようなもの)を支払わなければなりません。

日本には、「亡くなった方名義のままの土地が九州の面積を超えるほどある」と言われており、ようやく国が動いた形です。

『名義人が亡くなってから3年以内』という猶予期間がありますが、正当な理由なく怠っていると、過料の対象になってしまうので、早めに名義変更をしておきましょう「田舎のいらない土地を相続した。国が引き取ってくれる制度があるって聞いたけど?」

→ホントです

『相続土地国庫帰属制度』という国が不要な土地を引き取ってくれる制度がスタートしています。
不要な土地を相続されている方は以外と多いもので、その方々にとっては朗報かと思います。

ただし、どんな土地でも引き取ってくれるわけではなく、境界が明らかである、急勾配ではない等の厳しい要件が色々とあります。
また、無償で国が引き取ってくれるわけでもありません。

土地一筆にあたり、1万4,000円の審査手数料や、
負担金として最低20万円以上を国に納める必要もあります。
つまり現時点では『有償で引き取ってくれる制度』なのです「亡くなった父名義の不動産を売りたいが、弟が反対している。
それでも売れるって聞いたけど?」

→半分ホントで半分ウソです

大前提として、故人名義のままの不動産は売却できません。
まずは売却のための下準備として、相続人のどなたかに名義を変える必要があります。

この下準備の「故人→相続人」の名義変更(相続登記)には、相続人全員の実印が必要です。

ただし、法定相続分という法律で決まった割合で名義を入れる場合は、相続人全員の実印は不要です。

仮に相続人が兄と弟の2人だけの場合、兄と弟2分の1ずつの名義にするには、兄の単独申請は可能なのです。

その後の売却となると、2人で足並み揃えて売却する必要があるので、「売りたくない」という方が1人でもいれば売却は難しいでしょう。
ただ最近は「持分を買い取ります!」という業者もいるので、その業者に自分の持分だけを売ることはできます。

ただ、持分だけの場合だと通常より安くなる可能性は高いので、その点は考えものですね。

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