放置した実家が、ある日「負動産」に!?相続後に見落としがちな空き家のリスク
「母が亡くなってから、実家には誰も住んでいません」
Aさんがそう話されたのは、お母様が亡くなってから数年が経ったころでした。
相続人は兄弟三人。誰かが住む予定もなく、売るにも片付けが大変で、「また今度考えよう」と先延ばしにしてきたそうです。
「また今度」が、空き家を傷ませていく
最初は、年に数回様子を見に行くだけでした。しかし、庭木は伸び、雨どいは外れ、屋根や外壁も少しずつ傷んでいきます。
近所の方から「危ないですよ」と言われても、兄弟の間では「誰が費用を出すのか」で話が止まってしまいました。
そんなある日、強風で外壁の一部がはがれ、隣の家の車を傷つけてしまいました。
幸いけが人はいませんでしたが、Aさんたちは修理代を請求されることになりました。
空き家は、誰も住んでいなくても、所有している以上は管理責任があります。
管理が悪く、通行人や近所の家に損害を与えた場合、過失責任を問われることがあります。
「住んでいないから関係ない」では済まないのです。
特定空家になると、税金の負担が重くなることも
また、2015年には、いわゆる「空き家法」が本格的に施行されました。
倒壊のおそれがある、衛生上問題がある、周囲に悪影響を及ぼしているような空き家は、「特定空家等」と判断されることがあります。
特に注意したいのが固定資産税です。
通常、住宅が建っている土地には固定資産税を軽減する特例があります。
しかし、特定空家等として自治体から改善の勧告を受け、それでも対応しない場合、この特例が外れることがあります。
その結果、土地の固定資産税が最大で約6倍になる可能性もあります。
さらに、火災保険にも注意が必要です。
住んでいた家が空き家になった場合、契約内容によっては保険会社への連絡や契約の見直しが必要になることがあります。
「保険に入っているから大丈夫」と思っていても、空き家であることを伝えていなければ、
いざという時に十分な補償を受けられない可能性があります。
最悪の場合、放火されても保険金が下りないこともあり得ます。
空き家は、早めに方針を決めることが大切
空き家は、放置していても自然に解決しません。
むしろ、時間が経つほど建物は傷み、近所との関係も悪くなり、修繕費や解体費、税金の問題が大きくなっていきます。
実家を相続したら、まずは「誰が管理するのか」「売るのか、貸すのか、解体するのか」「火災保険はどうなっているのか」を確認しましょう。
思い出の家を、家族の悩みの種にしないために。空き家は、早めに方針を決めることが大切です。