「亡くなった父が株取引をしていたようですが、手掛かりがありません。どうやって調べたらいいですか?」 このようなご相談を受けることがあります。 今回は故人が株取引をしていたかどうかを調査する方法をお伝えします。 証券保管振替機構で口座を調べる 全ての証券会社に、「父の口座はありますか?」と確認するのは、大変骨が折れる作業になりますよね。 (もしも「こことここにありそう・・」と目星がついているなら、証券会社に直接聞くのも手ではありますが) 全ての証券会社の口座を一括で確認したいなら、証券保管振替機構(通称:保振)を利用するとよいでしょう。 必要書類を出せば、故人が口座を持っている証券会社を全てリストアップしてくれます。 混みあっていなければ、平均3週間ほどで結果が郵送されます。 覚えておきたいのは、保振は「名前+住所で調査をする」ということです。 もしも引っ越しで住所を変えたことや、結婚で氏が変わったことを証券会社に伝えていなければ、調査結果から漏れてしまうことがあります。 そのため、名前は旧姓まで、住所は現住所と前住所までは書いておけば安心かと思います。 判明した調査会社に、残高証明書発行の依頼をかける 「証券会社は調べるが、株の銘柄までは分からない」のが保振です。 株の銘柄を調べるには、各証券会社に残高証明書の発行依頼をかけましょう。 数週間でその証券口座内にある株の銘柄や株数が全て分かります。 相続手続きには、証券会社ごとに口座開設が必要 保振で証券会社が分かり、残高証明書で銘柄も株数も分かりました。 次に、相続手続きのためには、証券会社ごとに相続人が口座を作る必要があります。 つまり、故人がA・Bの証券会社の口座をお持ちだった場合、相続人もその株を受け取るためにA・Bの証券会社の口座を開設しないといけないのです。 「株を株のまま受け取る」のが相続手続きで、「証券会社の方で株を現金化して相続人の銀行口座に入れる」ことはできません。 もちろん、株を一旦相続人の1人が受け取って、それを現金化し、他の相続人に分配することは可能です。 いかがだったでしょうか。 株の手続きは、銀行の預金に比べて手続きが少し煩雑で、時間もかかります。 お困りの際は、専門家に一度相談してみてくださいね。
亡くなった父が株取引をしていたかどうか分からない・・・
2023.10.18