【相続コラム】デジタル遺品の手続きってどうするの?
相続手続きといえば、預貯金の解約、不動産の名義変更、生命保険や年金の手続き・・といったものが主流です。
そんな中、最近増え続けている手続きがあります。
それが「デジタル遺品」の相続手続き。
デジタル遺品とは、個人のパソコンやスマートフォン、タブレット等の中にある、「デジタル情報」のこと。
デジタル機器内にある写真や動画、仮想通貨、各種SNSのアカウントなどがそれにあたります。
2020年の総務省調査によると、全世帯の69.1%がパソコンを、83.4%がスマートフォンを、96.1%が携帯電話を所有しているとのこと。
数字から見て分かるように、このデジタル遺品の相続手続は今後の相続手続のスタンダートとなっていくのは明白です。
そしてこれらのデジタル情報を残したまま亡くなり、機器のロックや破損が原因で中を確認できない場合は、下のような問題が起こる可能性があります。
・相続財産に影響し、相続税の申告漏れになるかもしれない
・毎月何かで課金されているかもしれない
・ロックがかかっていることで、中にある本人の写真や家族の写真を見ることができない
では、デジタル機器内の情報を確認する方法は何があるのでしょうか?
実は現時点では、ドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯電話3社では、「遺族の依頼であってもIDやパスワードの解除はできない」のです。
つまりスマホのロックを解除して、故人のデジタル情報を確認することは、そんな簡単にできることではない、ということ。
デジタル遺品に関しては、まだまだ法整備がされていないのが現状です。
どうしても中を確認する必要がある場合は、デジタル遺品を調査してくれる専門業者に依頼する必要があります。
ただし、20~30万と高額な費用がかかってしまいます。
もしサブスクなどの課金が心配な場合は、中を確認せずとも銀行やクレジットカードを止めさえすれば支払いを止めることは可能なので試してみてください。
なので、現実的にデジタル遺品の相続手続として取れる手段は、
① 生前に何らかのデジタル遺品がないか、しっかり確認をしておく
② もしどうしても中身を確認したい場合は、専門業者に依頼する
③ サブスク対策として、まずはクレジットカードや銀行を止める
ということになります。
お困りの時は、ぜひ参考にしてみてください。