この遺言書、有効ですか?無効ですか?
遺言書を見つけたとき、まず頭に浮かぶのは
「これって、本当に使える遺言なの?」という疑問ではないでしょうか。
実際の相談現場では、
「印鑑が実印じゃないから無効ですよね?」
「勝手に開けてしまったけど、もうダメですか?」
といった声が、後を絶ちません。
しかし、よくある“思い込み”と、法律上の“有効・無効”は一致しないことが多いのが遺言書です。
「無効だと思っていたら有効だった」「大丈夫だと思っていたら、実は無効だった」
そんなケースも珍しくありません。
そこで今回は、
相続の現場で特に質問の多い遺言書のケースを5つ取り上げ、それぞれ 「有効か?無効か?」を分かりやすく解説します。
Q1「遺言書の署名の横に、実印ではなく認印が押してありました」
→有効です。
「実印でなければならない」という法律はありません。認印でも、拇印でも大丈夫です。
Q2「机から封印されている遺言書が出てきたので、勝手に開けてしまいました」
→有効です。
封印してある遺言書を開封すると、5万円以下の過料に処される可能性がありますが、遺言書自体が無効になることはありません。
Q3「両親が『夫が亡くなったら妻に相続させる。妻が亡くなったら夫に相続させる』という夫婦連名の遺言書を書いていました」
→無効です。
遺言は二人以上の者が同一の証書ですることはできません。残念ながら、無効となってしまいます。
ご夫婦で遺言を書き合う場合は同一ではなく別々の遺言書に書く必要があるのです。
Q4「父が、『自分の財産は長男と次男に2分の1ずつの割合で相続させる』という遺言を残していましたが、先に長男が亡くなっています」
→長男が受け取るはずだった部分のみ、無効です。
遺言書そのものが無効になるわけではなく、先に亡くなっている方についてのみ無効です。
無効となると、父の相続人の間で、無効になった部分の遺産分割協議が必要となります。
長男の相続人が代わりに受け取ることは出来ません。
Q5「遺言に書かれていた不動産が、今は売却されて存在しません」
→有効です。
遺言の作成後でも、遺言者は自分の財産を自由に売却したり贈与したりしても問題ありません。
遺言者が亡くなった時点で、残っている財産にのみ効力が生じます。
遺言書は、「あるか・ないか」だけでなく、
「有効か・無効か」「どこまで効力があるのか」によって、相続の進め方が大きく変わります。
自己判断で進めてしまうと、後から「実は無効だった」「遺産分割をやり直すことになった」というケースも少なくありません。
少しでも不安や疑問がある場合は、早めに専門家へ相談することが、相続トラブルを防ぐ一番の近道です。
相続手続支援センター関西では、遺言書の有効・無効の確認をはじめ、相続手続全般についてのご相談を承っております。
「この遺言、大丈夫だろうか?」と思ったその時が、相談のタイミングです。
どうぞお気軽にお問い合わせください。