「亡くなった主人の遺言書が出てきました。まずは何をすればいいんですか?」
このような質問を最近よく耳にします。
遺言書というと、財産を多くお持ちの方がつくるもの・・と考える方が少し前まではほとんどでした。私には関係ないわ、と。
それが最近はだいぶ幅広い方々が遺言書を作るようになってきて、身近な存在に変化してきたな、と感じております。
さて、亡くなった方の遺言書が出てきた場合、まず確認することはその遺言書が「自筆証書遺言」なのか「公正証書遺言」なのかを確認をしてください。
公正証書遺言である場合は、その遺言書を使って、どんどん相続手続を進めていくことが可能になります。銀行の預貯金の解約や不動産名義変更など、遺言書に書かれている内容の手続きに直接移っていただいて大丈夫です。
問題は、自筆証書遺言の場合。
自筆で書かれた遺言書では、家庭裁判所に「検認」を受ける必要性があります。
検認、聞きなれない言葉だと思います。検認とは、家庭裁判所が相続人全員に対して遺言の存在とその内容を知らせるとともに、偽造や変造を防止するために遺言書を保存してくれる手続きのことです。遺言書が有効か無効かを判断してくれるものではない、ということだけは注意してください。
この検認手続き、思っている以上に時間がかかるものです。
というのも、「検認の申立て」⇒「検認当日」の期間はおおよそ1~3か月はかかります。
そして、検認の申立てをするのに必要書類として「亡くなった方の出生~死亡までの戸籍謄本」と「相続人全員の戸籍謄本と住民票」が必要です。
上記書類を集めるのもやはり時間がかかってしまうので、トータルで考えるとなかなかの日数を費やすこととなるのです。
ちなみにこの検認をしないと遺言書は無効である、そういうわけではありません。
ただ、不動産の名義変更や預貯金の解約などは、検認が済んでいることが必須条件になります。
そういうわけで、遺言書が出てきた場合は
①公正証書遺言なら、遺言書に書かれている内容の相続手続きを進める
②自筆証書遺言なら、必要書類を揃えて、家庭裁判所に検認の申立てをする
ということになります。
お困りの時は、ぜひ参考にしてみてください。