相続人が行方不明だったら、相続手続きはどうする?

相続が発生すると必ず必要になるのが、「相続人全員の印鑑証明書」です。

この印鑑証明書ですが、「本人以外の人が取得できない」ことが大きなポイントになります。
(印鑑登録カードがあれば、本人以外も取得可能です)

相続が発生すると「印鑑証明書を取得しておいて!」と他の相続人からお願いされるのは、このためです。

さて、ここで問題なのが「行方不明の相続人がいる」場合です。
いくら「この人は行方不明なんです!」と金融機関等に説明しても、「じゃあ手続きできません」と言われてしまいます。

相続手続きを進めたいが、行方不明者の印鑑証明書は取得できない・・。
今回は、こういった場合一体どうすればいいかの解説をしていきます。


99%の行方不明者は見つかります

例えば路上生活をしている人など、「生きてはいるが住所を特定できない」といった本当の意味での行方不明者の割合は、全体の1%ぐらいです。

99%の行方不明者は見つかると言われています。

聞きなれない言葉かと思いますが、「戸籍の附票」という住所の沿革が分かる書類を役所から取り寄せることで、行方不明者の住所を確認することができるからです。

現在住所が分かれば、相続手続きのご協力が必要であることのお手紙を出すことで、連絡を取れるでしょう。

そのお話しの中で、遺産分割協議や印鑑証明書の取得をお願いすることが良いでしょう。


行方不明者を探す切り札は、「失踪宣告」

何十万円も払って探偵に人探しを依頼しなくても、家庭裁判所が探偵の役割をしてくれる制度があります。

それが、家庭裁判所に「失踪宣告を申し立てる」という方法です。

失踪宣告とは、生死不明の者に対して、法律上死亡したとみなす効果を生じさせる制度です。裁判所が令状で指示を出すと、全国の警察官が探してくれます。

免許の更新をしていたり、交通違反で捕まったり、刑務所の中にいたりと、何か社会的な生活を送っていると、どこにいるか分かります。

この失踪宣告をすることで、高い確率で行方不明者を見つけることができます。

それでも見つからない場合は、本当の行方不明者として、戸籍上亡くなったことにしてもらうことができます。
そうなると、その方の印鑑証明書は必要ありません。


さて、相続人が行方不明の場合のまとめですが、
・戸籍の附票から現在住所を確認する
・失踪宣告を申し立てて、警察官に探してもらう。それでも見つからなければ、戸籍上亡くなったことにしてもらえる。

お困りの方は、ぜひ参考にしてみてください!



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