相続人の間で分けなくてもいい財産って何があるの?

人が亡くなると、その人が持っていた財産や権利や義務の一切が相続人に承継されます。

これを相続と言い、相続人が複数いれば遺産の分け方を決める話し合いをします。
これを遺産分割協議と呼びます。

しかし、中には遺産分割協議をせずにすむ財産があります。

今回は、遺産の中から代表的な『分けなくてもいいもの』を5つご紹介します。


分けなくてもいい財産① 生命保険金

受取人が指定されている生命保険は相続財産になりません。受取人固有の財産となり、分け合う必要はありません。
ただし、生命保険の中には受取人が被相続人本人になっている場合があります。
この場合は相続人の財産となり、遺産分割の対象になるので、注意が必要です。


分けなくてもいい財産② 死亡退職金
死亡退職金も生命保険と同じで、受給権者(受取人)が決められていればその人固有の財産となります。
そしてこれも生命保険と同じく、もしも受給権者が指定されていない場合は、相続財産となり遺産分割の対象になります。
会社毎の支給規定によって決められているので、確認しておくことが大切です。


分けなくてもいい財産③ 香典・弔慰金
香典は、亡くなった方に対する供養として、霊前に供える金品のことを言います。
弔慰金は、会社などから遺族を慰める意味で交付される金銭のことです。

香典と弔慰金は、上記の性質により、『喪主や遺族に対する贈与』と考えられており、遺産分割の対象にはなりません分けなくてもいい財産④ 一身専属権
一身専属権とは、身元保証人としての地位や生活保護受給資格など、『その人だからこそ持ちえた権利』のことです。

これらの権利は、持つ人が亡くなると権利は消滅し、相続人が承継することはできなくなります。
よって当然、遺産分割の対象ではありません。


分けなくてもいい財産⑤ 未支給年金
年金受給者が亡くなった時に、遺族が請求することで受け取れる年金があります。

これを未支給年金と言い、受け取れる遺族の順位が決まっています。そのため遺産分割の対象にはなりません。


まとめると、
1) 生命保険金
2) 死亡退職金
3) 香典・弔慰金
4) 亡くなった方の一身専属権
5) 未支給年金
上記5つが、代表的な「分けなくてもいい遺産」になります。

遺産分割協議の時は、ぜひ参考にしてみてください!


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