相続放棄をすると別の人に相続権が移る!?

相続放棄をすると別の人に相続権が移る!?
「父が亡くなり、相続放棄をしようと思っています。何か注意点はありますか?」

相続放棄は「自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所でおこなう」ことはよく知られています。
しかし、相続放棄をすると「次順位に相続権が移る」ことはあまり知られていない印象があります。
今回は、次順位に相続権が移るとはどういうことかを解説します。


相続権はどのように移るのか!?
父であるAさんが亡くなり、子のBさんが相続人のパターンを考えてみましょう。
Bさんが相続放棄をした場合、Aさんの借金はどこに向かうでしょうか?
正解は、「Aさんの両親・祖父母」になります。
相続放棄をすると、次順位の相続人に相続権が移るのです。

では、Aさんの両親・祖父母が既に亡くなっている、もしくはこれらの方々も全員相続放棄をすると借金はどうなるでしょうか?
答えは、「Aさんの兄弟姉妹に移る」です。
もしもAさんの兄弟姉妹が既に亡くなっている場合は、その子供(Aさんから見て甥姪)に移ります。


配偶者が相続放棄をしても、誰にも相続権は移らない
妻が夫の相続放棄をした場合はどうなるでしょう?
この場合は誰にも相続権は移りません。

移るのは、あくまでも
第一順位「子・孫(子が亡くなっている場合)」
↓
第二順位「両親・祖父母」
↓
第三順位「兄弟姉妹・甥姪(兄弟姉妹が亡くなっている場合)」

という順番です。

注意点としては同順位内では相続権は移りません。
亡くなった方に子・孫がいた場合、子が相続放棄をすると孫に相続権が移ることはありません。
この場合は「両親・祖父母」に順位が移ります。


放棄をした場合、次順位の人になるべく伝えてあげよう
もしも相続放棄をしたら、次に次順位の相続人に、
「次はあなたが相続人になるから、あなたも相続放棄をしてね」と教えてあげるのが親切でしょう。
伝えないといけないという法律はありません。

ただ、ある日いきなり債権者から知らされて「なんで教えてくれなかった!」となるのは避けたほうが良いと思います。
次順位の相続人は、「自分が相続人になったことを知った時」から3か月以内に相続放棄をおこないましょう。
目次
閉じる