【相続コラム】相続人の中に未成年者や認知症の方がいる時はどうなるの?

相続が発生すると、『誰が何を引き継ぐか』という話し合いが必要です。

その話合いがまとまれば、その内容を記載した遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印を押さなければいけません。

ここで注意点があります。それは相続人の中に未成年者や認知症の方がいた場合です。

この場合その方々は実印を押すことができないため、代わりに実印を押してくれる人を選ばなければなりません。

いわゆる代理人を立てる必要があるのです。


まずは未成年者のケースです。この場合は、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。特別代理人とは、今回の分割協議をするためだけに、特別に選ばれる代理人のことです。

通常は、未成年の代理人は親です。しかし、仮に親と子が相続人になった場合、親が子より自分の相続分を増やす・・なんてことが可能になってしまうため、子の利益を守るために特別な代理人が必要になってくるのです。


次に認知症の方がいるケース。この場合は、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらう必要があります。最近では司法書士や弁護士が選任されることがほとんどです。注意しなければならないのが、成年後見人は一度選ばれると、認知症の方が亡くなるまで毎月数万円の報酬がかかる点にあります。


特別代理人は一度だけの代理人ですが、成年後見人は一生続きます。認知症になってからも長生きされる方が多い昨今、月に数万円の費用が向こう10年以上続くと考えると、ゾッとすると思います。

もし今現在、相続人になりうる認知症の方がご家族にいる場合、成年後見人を将来必ず立てないといけないのでしょうか?

対策としてできることは、遺言書を作成することです。遺言書で遺産を受け取る人が指定されていれば、成年後見人を立てる必要はありません。
事前に遺言書を作成しておくだけで、数百万の金額がかからない可能性があるので、作成しておく価値は十分にあると思います。

というわけで、今回のまとめです。

・相続人に未成年者がいる場合、家庭裁判所に申し立てをして特別代理人を選任してもらう
・相続人に認知症の方がいる場合、家庭裁判所に申し立てをして成年後見人を選任してもらう。
・成年後見人は認知症の方が存命の場合、亡くなるまで毎月費用がかかる。遺言書での対策が必要。

お困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
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