【相続コラム】生命保険契約照会制度って、一体何が便利なの?

亡くなった父親が、生命保険に入っていたか分からない」
「母が認知症になっており、どこの生命保険に入っているか分からない」
「災害で行方不明になった兄が、生命保険に加入しているかが全く分からない」

このような相談を受けることがあります。

最近は連絡をあまり取っていなかった、認知症が進んでしまった・・・様々な理由で「生命保険に加入していたかどうか」をご家族が把握しきれない現状があるようです。

ここで、「保険入っているかは分からないけど、調べるのは後回しでいいや」という態度でいることは、実は危険です。
実は保険には「支払い事由(被保険者の死亡)から概ね3年以内(各保険会社により違う)に請求しなければならない」という時効が決められています。つまり、見つからないまま時効が経過してしまい、本来貰えるはずのものが貰えなかった・・・、なんてことが多々起こるのです。

ではどのように調査すればいいかというと、個々の保険会社に「保険契約の有無を一社一社問い合わせる」必要がありました。とても面倒で、現実的ではない方法ですが、この方法しかなかったのです。

そんな中、この面倒事を一気に解消できる制度が誕生しました。
2021年からスタートした『生命保険契約照会制度』です。

この制度を使えば、生命保険協会が「約40数社の生命保険会社に一括して対象者が保険に加入しているかどうか」を照会してくれます。ご家族が一社一社に「保険に入っていますか?」と確認の電話をする必要がありません。この制度ができたことにより、「生命保険の時効が過ぎてしまった!」ということは今後減っていくでしょう。

生命保険契約照会制度の具体的な項目は以下です。

請求先:一般社団法人生命保険協会
対象者:死亡、または認知判断能力の低下(災害時での死亡もしくは行方不明)
申請方法:オンラインまたは郵送(災害時の場合は電話のみ)
料金:税込みで3,000円(災害時の場合は無料)

ただし注意点があります。調査結果は「この保険会社と生命保険契約をしていますよ」という、「生命保険契約の有無」のみです。「どのような内容の保険に加入していたか?」「いくら入ってくるのか?」といった具体的な内容に関しては、直接保険会社に問い合わせなくてはいけません。

あくまで契約の有無のみを照会してくれる制度が、生命保険契約照会制度となります。
そうはいっても、今までと違って段違いに生命保険の照会が楽になったことは、間違いありません。
ご興味のある方は、ぜひ一度この生命保険契約照会制度を利用してみてください。

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